秋の潤いを、蓄える。

厳しい暑さが和らぎ
空が一段と高く感じられる秋。

この季節、私たちの体の中では
「肺(はい)」が主役となり

外気を取り込みながら
全身の巡りを整えようとしています。

東洋医学において「肺」は
呼吸だけでなく

肌のコンディションや
悲しみの感情とも深く関わっています。

空気が乾燥し始めると
喉や肌の乾きとともに

ふとした瞬間に心細さを感じたり
物悲しくなったりするのは
秋の「燥(そう)」の気
影響しているかもしれません。

立秋から霜降まで。

乾いた心と体をしっとりと満たし
静かに冬を待つための
秋の養生を綴ります。


01. 立秋(りっしゅう)| 秋の気配(8/7頃)

【今、大切にしたいこと】

小さな「涼」を見つける

暦の上では秋の始まり
まだ残暑は厳しいですが
風の中に秋の気配を探して

  • 養生のヒント
    夏の疲れが出やすい時。
    梨やスイカなど、瑞々しい果物で体の熱を冷ましつつ、失われた水分(津液)を優しく補いましょう。

02. 処暑(しょしょ)| 暑さの収まり(8/23頃)

【今、大切にしたいこと】

夏の疲れを、手放す

厳しい暑さが引き
穀物が実り始める頃

  • 養生のヒント
    朝晩の涼しさが心地よい時期。
    冷房による冷えを解消するために、湯船にゆっくり浸かって。
    夏の間に溜まった老廃物を流し、巡りをリセット。

03. 白露(はくろ)| 露の輝き(9/7頃)

【今、大切にしたいこと】

内面を、見つめる

草木に白い露が宿り
秋が深まる時期

  • 養生のヒント
    空気が澄んできます。
    深い呼吸を意識し、肺に新しい空気を取り込んで。
    白い食材(白ごま、百合の根、白キクラゲ)は、肺を内側から潤してくれます。

04. 秋分(しゅうぶん)| 実りの均衡(9/23頃)

【今、大切にしたいこと】

不要なものを、整理する

再び昼と夜の長さが
同じになる節目

  • 養生のヒント
    冬に向けて「蓄える」準備。
    身の回りの整理整頓や、心の中の「手放したい感情」を書き出してみて。
    バランスを整えることで、心の平穏を取り戻します。

05. 寒露(かんろ)| 冷たい露(10/8頃)

【今、大切にしたいこと】

温もりを、手元に

露が冷たくなり
雁が渡ってくる頃

  • 養生のヒント
    足元から冷えが忍び寄ります。
    レッグウォーマーや温かい靴下で守って。
    蜂蜜を加えた温かな飲み物は、喉の乾燥を守り、心をホッと緩めてくれます。

06. 霜降(そうこう)| 霜の訪れ(10/23頃)

【今、大切にしたいこと】

静かな時間を、手でつくる

朝晩の冷え込みが強まり
霜が降り始める時期

  • 養生のヒント
    冬の「閉蔵(へいぞう)」に向けて、エネルギーを内側に集めます。
    編み物や刺繍など、静かに手を動かす「手仕事」は、昂ぶりやすい神経を鎮め、心を落ち着かせてくれます。

潤いを、蓄える

秋の養生で大切なのは
自分を「乾燥」から守ることです。

それは体の潤いだけでなく
心の潤いも同じ。

好きな本を読み
お気に入りの香りに包まれ
自分を丁寧に扱う時間。

そのひとときが
厳しい冬を乗り越えるための
確かな糧となります。

流れる水が静かな淵に留まるように。

あなたの心も、今は静かに
内側の豊かさを味わっていきましょう。