夏の熱を鎮め、心を潤す。

太陽のエネルギーが最も強まり
万物がまばゆい光に包まれる夏。

この季節、私たちの体の中では
「心(しん)」が活発に働き
一生懸命に熱をコントロールしようとしています。

東洋医学において「心」は
血液を巡らせるだけでなく
精神や意識を司る場所。

暑さで寝苦しかったり
些細なことに心が波立ったりするのは

夏特有のエネルギーに
「心」が少し疲れているサインかもしれません。

立夏から大暑まで。

外の熱気に振り回されず
内側に心地よい「涼」を宿すための
夏の養生を綴ります。


01. 立夏(りっか)| 夏の光(5/6頃)

【今、大切にしたいこと】

急がず、熱を逃がす

暦の上で夏が始まります
急な気温の上昇に
体が追いつかない時期

  • 養生のヒント
    苦味のある初夏の野菜(アスパラガスやクレソン)を。
    余分な熱を鎮め、高ぶりやすい気持ちをスッと落ち着かせてくれます。

02. 小満(しょうまん)| 充足のとき(5/21頃)

【今、大切にしたいこと】

今の自分に満ち足りる

草木が成長し
天地に気が満ちる頃

  • 養生のヒント
    活動的になる時期ですが、あえて「何もしない10分」を。
    麦茶や緑茶をゆっくり淹れ、心に余白を作ることで、夏の「陽」の気と上手に付き合えます。

03. 芒種(ぼうしゅ)| 湿の訪れ(6/6頃)

【今、大切にしたいこと】

体内の「水」を巡らせる

入梅を迎え
湿気が増えてくる時期

  • 養生のヒント
    湿気で体が重だるくなりやすい時は、小豆やハトムギを。
    体に溜まった余分な水分を逃がし、巡りを整えることで、心も軽やかに。

04. 夏至(げし)| 陽の極み(6/21)頃

【今、大切にしたいこと】

深い休息で「陰」を養う

一年で最も日が長く
エネルギーの転換点となる日

  • 養生のヒント
    陽が極まり、ここから「陰」へと向かいます。
    夜は早めに灯りを消し、静かな闇の中で自分を深く休ませて。
    ホットフラッシュが気になる方も、この時期の睡眠は格別のサプリになります。

05. 小暑(しょうしょ)| ぬくもりを忘れない(7/7頃)

【今、大切にしたいこと】

内側の冷えを労る

暑さが本格化し
ついつい冷たいものが
欲しくなる頃

  • 養生のヒント
    冷たいものの摂りすぎは胃腸を弱め、夏バテの元に。
    あえて温かい飲み物を選び、内側の巡りを止めない「優しい養生」を意識して。

06. 大暑(たいしょ)| 炎の盛り(7/23頃)

【今、大切にしたいこと】

木陰で休むように過ごす

一年の暑さのピーク
汗と共にエネルギー
(気)が漏れ出しやすい時

  • 養生のヒント
    無理に動かず、今は「省エネ」で。
    梅干しやトマトなど、酸味のある食材は、漏れ出る汗と気を収め、渇いた体を内側から潤してくれます。

静寂をまとう

夏の養生で大切なのは
外側の熱に同調しすぎないことです。

木陰の涼しさ、水面のきらめき、風鈴の音。

五感で「涼」を感じるひとときは
忙しい毎日でささくれ立った心を
優しく撫でてくれます。

流れる水が岩を削るのではなく
避けて通るように。

夏の暑さも
真っ向から抗うのではなく
しなやかに受け流していきましょう。