東洋医学には「五臓」という考え方があります。
肝・心・脾・肺・腎。
内臓の名前に似ていますが
西洋医学の臓器とは少し違います。
東洋医学の五臓は
身体全体の機能を五つに分類したもの。
それぞれが特定の感情、季節、体の部位と
深くつながっていると考えられています。
施術をしながら
ずっと気になっていることがあります。
この五臓と、骨格や筋肉の状態は
かなり深い関係にあるのではないか。
まだ仮説の段階ですが
今見えているものを一度ここに並べてみようと思います。
「肝」脇腹の左右差、骨盤のねじれ
東洋医学で肝は「疏泄」を司ります。
気をスムーズに全身に巡らせる役割です。
ストレスや感情の波があると
まず肝が乱れると言われています。
施術で気になるのは
脇腹の硬さに左右差が出やすいこと。
骨盤や背骨にねじれが出ている方にも
この傾向を感じます。
気が滞ると筋肉が緊張する。
そしてストレスは左右対称にはかからない。
だから体の歪みも
非対称に出るのかもしれない、と思っています。
「心」ここだけ、まだわからない
正直に書きます。
心だけは、いつもつまずきます。
「これは心が原因だな」と感じる症例に
あまり出会わないのです。
もしかしたら、東洋医学で言われるように
心は最後に影響が出る臓なのかもしれません。
肝・脾・肺・腎が先に乱れて
それが長く続いた結果として心に波及する。
サロンに来る段階では
まだ心への影響が骨格に出るほどになっていない
ということなのかも。
これは今も考え中です。
「脾」骨盤の前傾・後傾、お腹周りの筋肉
脾は消化・吸収を主る臓です。
食べたものを気や血に変える
いわばエネルギー変換の要。
骨盤の前傾・後傾がある方は
お腹周りの筋肉にアンバランスが出ています。
硬く緊張している場合もあれば
力が抜けて弱くなっている場合もある。
どちらも血流を悪くして
消化器系の働きに影響しうる気がしています。
ただ、お腹の筋肉が硬い人が便秘
弱い人が下痢気味、とは一概には言えなくて。
逆のパターンもある。
脾については、傾向はあるけれど
まだ丁寧に観察が必要だと感じています。
「肺」巻き肩、猫背、そして呼吸のループ
肺は「気を主る」臓。
呼吸によって外から気を取り込む
最初の入り口です。
巻き肩や猫背の方は
胸筋が硬くなっていることが多い。
肩が前に引っ張られ、胸郭が閉じる。
さらに呼吸が浅い方は
背中までガチガチになっています。
前も後ろも詰まって
ますます呼吸が浅くなっていくループ。
施術後に「呼吸がしやすくなった」
とおっしゃる方が多いのは
このループが少し解放された瞬間なのだと思っています。
東洋医学的に言えば
気の入り口が開いた、ということかもしれません。
「腎」腰回り、お尻の硬さ、冷え
腎は東洋医学で「腰は腎の府」と言われるほど
腰との結びつきが深い臓です。
また、冷えに最も影響を受けやすい。
腰痛のある方のお尻を触ると
だいたい凝っています。
お尻が凝ると腰回りの筋肉も硬くなる。
筋肉が硬いところは血流が悪い。
血流が悪いところは冷える。
太ももまで冷たい方に腰の不調が多いのも
この流れと無関係ではないと感じています。
こうして並べてみると
骨格や筋肉の状態は
五臓のどこかのサインと重なっていることが多い気がします。
もちろんこれは
日々の施術の中で感じていることの整理です。
心のようにまだわからないものもあるし
脾のように傾向はあっても一概には言えないものもある。
でも、こうして考え続けることが
施術をより深くする気がしています。
